宿泊施設の選び方

上高地での宿泊は、宿泊施設の立地次第で周辺の自然環境や歩行コース取りが違ってきます。特に早朝や夜の上高地らしい自然を楽しむのはどの地を中心にするのか…
宿泊当日と翌日の2日とも上高地で過ごすのか他の周辺観光地を組み合わせる旅行なのか…

山岳リゾート上高地

都市から遠く離れ、山々に囲まれた山間に広がる最大幅約1km×長さ約10kmの小さな平野。美しい自然が無ければ辺境の地であろうこの地にも近代的で快適な滞在、美食を提供するホテルももちろん有りますが、上高地での宿泊には山岳地ならではの特徴やルールがあります。

先を急ぐ登山者はもちろん、皆早起きして早朝の上高地を楽しんでます。

山岳登山のベース・山の朝晩は早い

穂高連峰を中心とした夏山登山のベースという側面があること、早朝の自然を楽しむ方が多いこと、夜行バスでの来訪者比率が高いこと、夜な夜な営業する居酒屋が無いことwwなど様々な要因から自然に皆そうなります。もちろんルールではありませんが、夜は早く就寝し早朝から行動するのが上高地では普通です。

相部屋というスタイル(ロッジ)

海辺のリゾートや一般の観光地には無い、全く知らない他の人と同室で一夜を過ごす。山では当たり前の相部屋というスタイルで宿泊を提供するお宿がいくつもあります。主に登山家達が利用するのですが観光客でももちろん利用可。郷に入れば郷に従え、お互い僅かに気を使えば案外打ち解けて気楽に滞在できるものです。

上高地の相部屋は基本男女別、寝具と最小限のスペース(一人1.5~2畳程度)。同室の登山家の朝夕は先述のように極端に早いことを承知の上でww

一般的に人気のある梓川右岸~河童橋近く(7軒)

上高地の中では比較的規模の大きい施設が集中する、収容人数や客室数の総数が上高地全体のおよそ半数を占めるエリア。梓川右岸と河童橋近くはしなくてもよい位近接(徒歩20分程度)していますが、取り囲む自然環境や雰囲気はずいぶん異なります。

宿が多い梓川右岸~河童橋近く

河童橋近くで泊まる

ホテルとロッジの双方があり無難な選択。深夜早朝の人影の少ない河童橋を楽しむ、上高地は1日で他所の観光を組み合わせるには最適。周囲の往来も多く多少騒々しいかも。

梓川右岸に泊まる

静かな環境の中に上高地で唯一天然温泉を楽しめる、華やいだ洋式のホテルと温泉旅館調ホテルの2軒があります。深夜早朝の田代~大正池、河童橋を楽しむなら。

神降地・神垣内 明神(3軒)

穂高神社への参道・明神橋と明神岳

河童橋から1時間。穂高神社の祭神「穂高見命」が穂高岳に降臨し、この地(穂高神社奥宮と明神池)で祀られていることに由来する地・ 明神は上高地初まりの地にして神域、古入山道のW・ウェストン卿が涙したという徳本峠最寄、パワースポットとも言われます。

朝焼けの穂高の神(明神岳)、朝靄の明神池を体験したい、翌日に徳本峠へ出かけてみたいなら。

近代的なホテルや旅館は無く、個室と相部屋を提供するロッジタイプのお宿のみ、河童橋から1時間上流なので歩行コースは多少工夫が必要かも。

徳沢・横尾(3軒)

徳沢名物のニリンソウは5月中頃から約1ヶ月

河童橋から2時間の徳沢、さらに1時間余り上流となる横尾。眼前に高く聳える北アルプスの山々、手が届くように広がるなんて月並みな言葉では表せない星空。自然に包まれていることを実感し、深い感慨・感動を覚えること請け合い。

大型のホテルや旅館も無く登山客が多いこの地区では、個室の予約はかなり難しく相部屋が基本となります。片道2時間(横尾は3時間)の地ですから他観光地と組み合わせる旅行には不向きですが、2日間を上高地で過ごすつもりなら相室に不安があったとしても一考の価値は十二分にあります。

人気の宿・個性的な宿泊など

特に人気がある、個性的な宿泊施設、上記以外の地区にある、上高地近くの温泉など

徳澤園(徳沢)

画像:©徳澤園

自然と共にくらしてゆくこと。静かな眠り、おいしい水、日常から解き放たれた自分の時間。
山ガールのカリスマと評される若女将夫婦の営むロッジと呼ぶには素敵過ぎる宿。

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ホームページをご覧になれば十中八九の方が虜になる、泊まりたいと感じずには居られない♪画像はありませんが夕朝の食事はイメージ通りで見た目も美しくとて美味しい♪期待してください。(褒め過ぎかなww)

徳澤園

上高地帝国ホテル

画像:©上高地帝国ホテル

誰もが憧れる日本で最も歴史と格式のあるホテルの一つであることに何の疑いもありません。過不足なく山岳のリゾートであることを感じさせてくれる上質で快適な滞在。

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山用のウエアではなく正装して訪れ、上質な時間を過ごしたい上高地帝国ホテル。とても高価なのは間違いありませんがそれ以上の満足と思い出は一生ものです。唯一の難点は極めて予約が取りにくいこと。

上高地帝国ホテル

森のリゾート小梨(小梨平)

画像:©森のリゾート小梨

河童橋から徒歩5分。静かな小梨平の自然林の中にあるネイチャー志向の宿泊施設とテントサイト。手ぶらで楽しめるアウトドア体験は夏休みのファミリー旅行にはピッタリ。

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滞在はケビン(バンギロー)またはテント(貸出あり)。食料品・調理器具・燃料などの全てが揃い、食堂・売店・浴場も完備だから身の回り以外は用意不要♪スタッフが火起しまでしてくれるし~

森のリゾート小梨

大正池ホテル(大正池)

画像:©大正池ホテル

お部屋の窓から望む大正池とその向こうに聳える焼岳。上高地の入口近くにして最も著名なポイントの一つ大正池畔に建つ和風な趣の一軒宿

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自然環境は素晴らしいのですが直近を通る県道にあるバス停で始発からとても大勢が降ります。早朝から多少騒がしいのは…。早朝からサッサと歩きに行きましょ♪

大正池ホテル

河童橋正面の2軒

画像:©ホテル白樺荘

梓川の蒼い水と河童橋越しの穂高連峰。上高地の画像で最も多く目にするこの風景の両端にあるホテルではネイチャーガイドをしています。

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宿泊者でなくても参加できるので特筆する必要は無かったのですがww
他の地区にもガイドや散策の案内をしてくれるホテルはあります。

ホテル白樺荘

五千尺ホテル 他は調べてみてww

天然温泉

画像:©上高地温泉ホテル

上高地内で天然温泉を楽しめるホテルは2軒だけ。大正池畔に聳え立つ活火山・焼岳を熱源とする源泉掛け流しのホテルは梓川右岸の穂高橋近くに。

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濁り湯好きには物足りないかもしれませんが、ツルっとした肌触りで刺激や臭いの無い万人受けするお湯です。

上高地温泉ホテル

上高地ルミエスタホテル

日帰り外来入浴も可

キャンプサイト

画像:©徳沢キャンプ場

のんびりと自然の中で過ごすなんて滅多にできる訳でなし。主に登山家達が利用する3ヶ所のキャンプサイトはもちろん一般観光客もOK♪

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小梨平・徳沢・横尾の3ヶ所の幕営サイトはいずれも水場を完備、隣接する宿泊施設で消耗品の調達、入浴や食事も受け付けていただけます。
多少のスキルをお持ちで数日を上高地で過ごしてみたい方におススメ!

上高地外での宿泊

画像はイメージ

さんざん上高地で泊まる必要性や自然について記したにもかかわらず、周辺各地での宿泊についても提案します。

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思うように予約が取れないかも知れません。または1日は周辺の観光地を楽しみたいなら上高地外に泊まるのも♪

平湯温泉は一考の価値アリ

乗鞍と両方欲張る♪

その他上高地周辺に泊まる

予約は2月から

予約がとても困難な「上高地帝国ホテル」「氷壁の宿 徳澤園」ほか、人気の高い宿泊施設の多くは2月からシーズン終了までの予約を受付始めます。

夏休みの旅行日程を2月に決めるのは難しい…かも知れませんが、発想を変えて「予約できた日」に旅行日程を合わせる位の柔軟さと決断力をもって納得の宿泊をお楽しみください。

お宿の選び方(あとがき)

宿泊施設の立地する地区によって周辺の自然の趣きもかなり異なるのはもちろん、歩行コースの取り方も大きく違ってきます。大抵の施設では上高地への到着時や出発前の荷物預かりをしていただけますが、これも立地次第。

歩くコースを中心に考えると河童橋周辺の泊まりだと何回か同じ路を歩くことになるでしょう。逆に徳沢の泊まりならループなくI型の歩行ルートが組みやすいでしょう。けれど、あまり気にする必要はありません。時間はたっぷりあります。ムダと考えずに何度も楽しめると思えばよいのですから^^)

宿泊者を対象に夜や早朝の散策を案内してくれるホテル、周辺の山々を何度も登った経験をアドバイスしてくれるスタッフがいる宿。営みや心が共感できる宿。一般的な観光地とは一線を画す上高地ですから宿泊そのものに求める好みや快適さ、食事のイメージや代金などだけを比較するのではなく、施設の立地や特徴を感じとって宿を選ぶと思い出深い上高地になること請け合い♪

決め手のひとつとしてブログFacebookを覗いてみましょう。ホテル側のゲストをもてなす気心や価値観を見て取れるので、ご自身のイメージ・好みに合うかどうかの参考になることが多々。また、疑問や不安な点があれば電話で尋ねてみることで、会話を通して雰囲気を確かめることもできます。