徒然日誌(時々更新)

思いつくまま気の向くまま。上高地に関わる様々なことを徒然に♪

唯一無二の郷土料理「岩魚の塩焼き」

上高地には定住している人が居ないんですもの、親から子、子から孫へと代々伝わる郷土料理・伝統食はないんです。歴史上に由来する「岩魚の塩焼き」が唯一にして無二の郷土料理。

囲炉裏で焼かれる上高地名物・郷土料理の「岩魚の塩焼き」

囲炉裏で焼かれる上高地名物・郷土料理の「岩魚の塩焼き」

江戸時代・松本藩の木材伐採に起因

夏にイワナ、冬はカモシカやクマなどの猟をする傍ら、外国人らから請われれば山案内をするという、明治維新によって終了した旧松本藩の木材伐採に関った人夫が転じた猟師生活に起源します。
( 上高地の歴史 参照)

上高地の主・上條嘉門次©嘉門次小屋

上高地の主・上條嘉門次©嘉門次小屋

日本近代登山の父、W・ウェストン卿の山案内人として知られる上條嘉門次は代表的な一人で、彼の建てた山小屋は現在「嘉門次小屋」として4代目(ひ孫)が営んでいて、古い囲炉裏で焼かれる看板料理の岩魚の塩焼きはとても人気があります。

岩魚は乱獲漁による著しい減少により1975年から禁猟、そのため現在は魚影が濃く、特に清水橋や明神池では悠々と泳ぐ姿を日常的に見ることができます。元々はニッコウイワナという種でしたがヤマトイワナや北米産のカワマス、ブラウントラウトの放流により交雑化が進み、純血種はほとんど見られません。

川魚の女王・最上の味

癖の無い淡白な味の白身。ヤマメと並び川魚の中で最上と評され、特に塩焼きは「鮎よりはるかに旨い」と評価の高い川魚の女王とも言われるイワナ(後述)

上高地では岩魚は禁猟

上高地では岩魚は禁猟

日本国中で激減する天然のイワナは滅多なことでは食べることは出来ません。もちろん上高地では禁猟なのですから、残念ながらイワナは上高地外から持ち込まれる養殖物。イワナという魚自身が美味しいのであって、上高地の「岩魚の塩焼き」が特別に美味しい、または不味いというものでもありませんが、上高地の風土やイメージにイワナの楚々とした印象が似合うことが一層おいしく感じさせるのでしょうね。

川魚の女王ヤマメイワナのいずれか、または両方を指すそうです。川魚の王を指すことが多く、味に関しては請売りww人それぞれなので異論もあるでしょうけれど、淡白で香ばしい岩魚の塩焼きは味のわかる大人の嗜好に合うようです。

サイトのポリシーに反しますが…

よほど間違った調理をしなければ川魚の女王、岩魚の塩焼きが美味しいのは先述のとおり。上高地では明神を中心に「上高地名物・岩魚の塩焼き」を頂けるレストランはいくつかあります。

岩魚は小屋前の清流から焼く直前に取る©嘉門次小屋

岩魚は小屋前の清流から焼く直前に取る©嘉門次小屋

中でも明神に位置する、岩魚の塩焼きが上高地名物となった起源をもつ嘉門次小屋の岩魚の塩焼きは別格♪

小屋の前を流れる清流に据えた生簀から、生きた岩魚を焼く直前にすくって串を打つ拘り。囲炉裏で時間をかけて焼かれた香ばしい岩魚は、頭から骨ごと頂けます。

ごはん、味噌汁、副菜と香物が付く岩魚塩焼き定食

ごはん、味噌汁、副菜と香物が付く岩魚塩焼き定食

岩魚の塩焼き単品で1,000円、ごはん、味噌汁、副菜と香物が付く定食が1,600円。それなりなお値段ですが価値はあるかと(定食のごはんはお代わり無料です)。

特定の店舗・料理の評価をすることはサイトのポリシーに反し控えていますが、嘉門次小屋の岩魚の塩焼きは歴史や由来を含め別格かと。(雰囲気やサービスを含め店としての評価ではありません。また、決して他店の岩魚の塩焼きが劣るというものではありません。念のため)

上高地の名物料理「山賊焼」

パリッと揚げた衣の中にニンニクの風味が香るジューシーな鶏モモ肉。長野県塩尻市の鳥料理専門店が発祥の、上高地で人気の高いボリューム満点で皆大好きな名物料理

山賊焼の添え物はブツ切りキャベツが本来の姿

山賊焼の添え物はブツ切りキャベツが本来の姿

塩尻市の鳥料理専門店が発祥

もともとは「山賊」という名前の塩尻市にある鳥料理専門店が供する人気メニューだった山賊焼。塩尻・松本あたりでは、スーパーの惣菜コーナーに常時並ぶ郷土の料理として定着、地元では3月8日はさんぞくきの日♪

塩尻では3月8日は山賊焼の日!

塩尻では3月8日は山賊焼の日!

山賊焼の名は発祥の鳥料理専門店の名から取られ、鳥を揚げる=取り上げる=金品を奪い取る=山賊、と捩って付けられていますが、料理自体は焼かれたもので無く、揚げられたもの。
平たく言うと全国的には鳥の唐揚げ・ザンギ・竜田揚げなどとも言われる割と平凡?一般的な揚物料理です。

西日本では鳥の照り焼きを「山賊焼き」という地域があるらしく、焼肉のタレで有名な日本食研から「山賊焼のたれ」なるものが売られています。上高地の山賊焼は西日本の鳥の照り焼きとは全く異なります。

山賊焼が人気のヒミツ

松本市に属する上高地で供されるようになるのは自然で、山岳にピッタリな山賊というネーミングの料理はたちまち人気となり、今では「上高地名物」を名乗れる存在となった人気メニュー。

シーズンに15,000食も出る河童食堂の山賊焼定食

シーズンに15,000食も出る河童食堂の山賊焼定食

ニンニクの効いた醤油ダレに漬け込んだ唐揚げ。ブツ切りにして揚げる唐揚げと違い、山賊焼はもも肉を切らずに揚げるので肉がジューシー。香ばしい香りと切り口からのニンニクの香りが食欲をより刺激し、衣が少ない分見た目のボリュームに比べてサッパリいただけるのですから、体力を消耗している登山者・ハイカーが美味しく感じるのは当然ですよね♪

上高地名物・山賊焼は

河童橋左岸正面にある河童食堂では、立地の良さも手伝って看板メニューのひとつ・山賊焼定食はシーズンに15,000食も出るそうです。また、向かいの河童橋右岸正面・ホテル白樺荘の山賊焼とフレッシュな野菜を大きなバンズで挟んだ山賊バーガーなるアレンジメニューは、上高地に山賊焼が根付いている証拠。

山賊焼をサンドしたご当地バーガー©ホテル白樺荘

河童橋周辺のホテルや食堂なら山賊焼は大抵メニューに載っています。それぞれ漬けダレに工夫を凝らしているようですが「どの店が旨い」という程の違いは無いように思いますので立地、お値段、雰囲気などお好みのレストラン・食堂でお試しください。

名物料理って定義が少し難しいですね。

料理の名前や見た目でその地を思い出させる料理、例えばタコ焼きは大阪の名物料理、チャンプルーは沖縄の名物料理。ぞれぞれご当地の方からすると郷土料理とも言えます。

一方、誰もが知るもので無くとも、それなりに人気があってその店でしか味わえない定番の料理も名物と言います。(もちろん郷土料理とはいえませんし、自称の名物料理も含まれます。)

例えば帝国ホテルのランチやカレーはずっと定番、人気もあるし上高地でしか味わえないのですから上高地の名物料理と言えるでしょう。となると上高地食堂の朝定食も同様ですし、個人的には徳沢名物野沢菜チャーハンを押したいし…

あちらを立てればこちらが立たず。ありきたりですが岩魚の塩焼き、山賊焼のみ紹介とさせていただきます。