スノーシューハイク・雪中キャンプ

全く音の無い、零下20℃を下回る厳寒の中でしか見ることのできない繊細で神秘的な上高地の冬景色。
自ら歩き進む意外には体験できないからこその魅力と感動があります。

真冬の上高地

霧氷に覆われた木々に囲まれる厳かな大正池、凍結しない湖面が生み出す霧に包まれ神秘的な田代池、凛とした空気が張り詰める中で穂高連峰を背に立つ河童橋…
雪面に残る小動物の足跡、日本で最も厳しい越冬地に住むニホンザルに出会うかも知れません。
真冬の上高地には清冽な景観を気楽に楽しめる春~秋とは異なる魅力があります。

冬の大正池:©白銀の上高地

真冬の上高地は全く音の無い世界。人間はもちろん動物の気配すら感じられない冬山です。ただ単に寒いだけでなく、道標は雪に埋もれ、一晩に数十cmの雪が積もり、地吹雪なんて当たり前、雪崩の危険すら有り得る。
気楽に雪原を楽しめるような管理されたスノーシューコースではありませんし、キャンプサイトに管理人がいる訳も無く、水や食料はもちろん必要な荷物や装備は全て自身で担いで持ち込む以外にありません。

何らか不測の事態が生じても、簡単に助けを求めることすらできません。
経験者・ベテラン、またはガイドと同行(平湯温泉の旅館ではプロガイド同行のスノーシューハイクツアーを開催している宿もあります)限定、自己責任でお楽しみください。

冬期入山ルール(公式)

上高地は冬期気象条件が変わりやすく、雪崩や落石、地吹雪が発生するなどの危険があります。
入山の際は自己責任を原則とし、冬山登山であることに留意して、安全と自然環境保全のために、以下のことをお守りください。

冬期入山ルール・マップ

冬期入山マップ©http://www.kamikochi.or.jp

  • 入山の際、必ず登山届けを提出してください。

    登山届提出箱が中の湯ゲートに設置されています。

  • 雪崩・落石・地吹雪等に十分注意してください。

    釜トンネル上~大正池間の県道植えでは、特に雪崩の注意が必要です。

  • 用便は冬期トイレを使用してください。

    冬期トイレは中の湯ゲート・大正池・中の瀬・上高地バスターミナル・小梨平にあります。

  • 湿原には踏み込まないでください。

    植生に影響を与えるおそれがあります。道路や歩道から外れて歩かないでください。

  • テントは小梨平野営場で張ってください。

    ホテル・旅館・ビジターセンターの軒下や施設の敷地内には立ち入らないでください。

  • ゴミや食料は必ずお持ち帰りください。

    野生動物の行動に影響を与えるおそれがあります。ゴミや食料はお持ち帰りください。

  • 林間コース(自然研究路)は通行止めです。

    木道の老朽化、踏み抜き等の危険があるため立ち入らないでください。

問い合わせ:松本自然環境事務所 0263-94-2024

中の湯ゲートは「車両は通行止め」なだけで、上高地への立入自体には特に制限や規制は無いそうです。(長野県松本建設事務所)
また、冬季も工事関係車両の出入があり開門、県道上高地線は除雪されていることもありますが、車での進入、釜トンネル前の駐車は厳禁。

コラム:冬季の上高地

地元関係者を中心に「冬季は入山禁止にしてほしい、するべき」という意見が根強くあることも知っておいてください。

雪で覆われ区分がわからず湿原ほか未整備部分への侵入が後を絶たない。雪の上を歩いても自然にとっては負荷がある。冬の上高地は登山者の世界であり安全の確保は難しい。冬は静かな上高地にしておくべき。様々な理由、言い分があるのも、少なからずマナー・ルールを守れない人がいるから。
安全はもちろん、自然への配慮にも十分に気を付けて。

そもそも、冬季の上高地では様々な工事があるため、工事車両のための除雪が行われています。でなければ、釜トンネルの入口と県道上高地線は数メートルの雪に埋もれてとても侵入できるものではありません。雪崩や滑落などの危険個所や冬季トイレの管理もそう。自然だから自由、誰の手も借りていない、のでは無いのですから地元関係者の言い分にも聞く耳を持つべきですよ。(冬の工事をやめろという声も。)