徒然日誌(時々更新)

思いつくまま気の向くまま。上高地に関わる様々なことを徒然に♪

経済の低成長や少子高齢化、娯楽の多様化などにより国内旅行市場は長期的に縮小傾向にあるそうですが、この減少度合はどうなんでしょう…

上高地利用者・来訪者数(千人)

平成17年 平成19年 平成21年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年
1,448 1,550 1,307 1,301 1,374 1,385 1,278

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平成21年と23年は県道上高地線で豪雨の影響による土石流や崩落があり、いずれも6日間の通行止めがあったことが影響していると思えます。ただ、左肩下がり携行の減員としてアルピコ交通「さわやか信州号」の、減便・減少状況と歩調が揃っているように思えます。

圧倒的に来訪者の多い関東地方から(統計はありませんが)、乗換えなしで行ける上に増便が多く気軽に予約の取れたツアーバスから高速バスへと運行形態が変わったことで増便が無く、限られた席数しか無いためとても予約は取りづらくなってしまいました(大阪便は減便の影響はさらに顕著)。

いくら「上高地へ行きたい」と思っても直近まで行ける鉄道はなく最低2回乗り換えで高額、直通で楽チンな高速バスは予約が取れず、日帰りツアーや近隣観光地を巡るツアーも殆ど無い(観光バス規制)。
こんな状況でも不便な山間の辺境の地へ100万人以上もの人々が来てくれるのは、北アルプス・穂高へ登るアルピニスト達が半数(50数万人は「上高地」が主目的でない人)がいることと、本物の自然があるから。

自然を守る。その意味合いからは利用者・来訪者は少ない方がよいでしょう。行きたくても行けない憧れの地でよいのかもしれませんね…

日本の山を富士山を筆頭に高峰から順に並べた上位100のうち、北アルプス・中央アルプスの位置する長野県下には66座もあるのをご存知だったでしょうか。中でも上高地から比較的容易(アルピニストにとっては)に登れる北アルプス・穂高連峰は、夏山登山の中で別格の人気があります。

他の観光地と近い感覚で上高地を訪れる一般旅行者と、予め前後に予備日を設ける山男たちの利便性や時間の間隔には大きな違いがありますから、先述のように多少不便であろうが、交通費が高額であろうが、将来的に彼らが極端に減っていくことはないのでしょう。

来訪者が減少傾向にあるものの、上高地内の宿泊施設を利用、泊まって上高地を楽しむ人は微増ながら増加傾向にあります。休みにあわせて旅行する時代から、旅行に合わせて休暇を取れるように社会環境が変化しつつあること以外に、多少の強行軍でも、是が非でも「上高地へ!」という気持ちを、交通の難が妨げているような気がしてなりません。